GoogleのAIアドオン、国内でも利用可能に

今日のニュース内容は「Googleが「Google AI Ultra for Business」を発表し、日本でも提供が開始された」

出典:「Google、AI アドオン「Google AI Ultra for Business」を発表。日本でも提供を開始」

Google は 2025 年 6 月 26 日 (米国時間) 、Google Workspace ユーザー向けに新たなアドオンプラン「Google AI Ultra for Business」を発表しました。

このプランは、今年初めに Business プランと Enterprise プランに導入された Gemini の全機能に続くもので、より高度な AI 機能を必要とするクリエイター、開発者、研究者といった専門チームを対象としています。

ニュースサイトで見る:https://helentech.jp/news-68823/

これは、ビジネスユーザー向けにGoogleの最先端AI機能を提供するアドオンサービスで、従来のAIサービスでは難しかった複雑なタスクにも対応できるよう設計されています。

このサービスについて、もう少し詳しく掘り下げてみましょう。

Google AI Ultra for Business とは?

「Google AI Ultra for Business」は、Google Workspace(旧G Suite)のユーザー向けに提供される、より高度なAI機能へのアクセスを可能にするアドオンプランです。従来のGoogle AI Pro(以前のGemini Advanced)の上位プランにあたり、特にAIを深く活用したい企業やプロフェッショナル向けに設計されています。

主な特徴と機能の深堀り:

  1. 最高レベルのAIモデルへのアクセス:
    • Geminiアプリの強化版: 最も高性能なAIモデルであるGemini 2.5 Proへのアクセスが強化され、より高い使用制限が適用されます。これにより、複雑な数学的問題や高度なコーディング、学術研究、複雑なクリエイティブ作業など、より大規模で複雑なタスクに対応できます。
    • Deep Thinkモード (Gemini 2.5 Pro): 特に複雑な数学やコーディング問題に対応するための、強化された推論モードです。多段階の推論を通じてエラー検出やロジック整理が可能になり、大規模プロジェクトの効率化に貢献します。
  2. 次世代AIツールへのアクセス:
    • Flow: AIを活用した映像制作ツールで、Google DeepMindの最先端モデル(Veo、Imagen、Gemini)に基づいて構築されています。直感的なプロンプト入力で、映画のようなクリップやシーン、一貫性のある物語を作成できます。AI Ultraプランでは、1080pのビデオ生成、高度なカメラコントロール、そして最新の動画生成モデルであるVeo 3への早期アクセスが提供されます。これにより、動画マーケティングやコンテンツ制作において、大幅な効率化と表現力の向上が期待できます。
    • Whisk: テキストと画像のプロンプトを使用して、新しいアイデアを迅速に探求し、視覚化できるAI画像・動画生成ツールです。AI Ultraでは、画像を8秒の鮮やかな動画に変換するWhisk Animate(Veo 2を使用)の利用制限が引き上げられます。
    • NotebookLMの強化: 研究や執筆の補助ツールであるNotebookLMも、使用制限が増加し、オーディオ概要、ノートブック、クエリ、ソースの数も拡充されます。これにより、より詳細なデータ分析やチーム内での知識共有が効率的に行えるようになります。
  3. Google Workspaceとの統合:
    • Gmail、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Google Meetなど、既存のGoogle Workspaceアプリ内でGeminiの機能を利用できるようになります。これにより、例えばメールの返信案作成、ドキュメントの要約、会議の議事録作成などが、AIの力を借りてより効率的に行えるようになります。
  4. ビジネスにおけるメリット:
    • 生産性の向上: 議事録の要約、契約書の要点抽出、顧客対応チャットの自動化など、業務の省力化と精度向上に直結します。
    • 創造性の加速: 高度な画像・動画生成ツールにより、マーケティング資料やプロモーション動画の制作が容易になり、新たなアイデアの創出を支援します。
    • データ分析と研究の効率化: NotebookLMの強化により、複雑な情報の整理や分析が効率的に行え、ビジネスにおける意思決定をサポートします。
    • 専門家向けの支援: 開発者、クリエイティブプロフェッショナル、研究者など、AIに高度な要求をするユーザーにとって、最もパワフルなツールとなります。

日本での提供について

報道によると、日本でも提供が開始されたとのことです。具体的な提供開始日については情報が錯綜している部分もありますが、米国での提供開始が2025年5月であったことから、順次日本を含む他国にも展開されている状況です。

価格について:

米国でのAI Ultraの月額料金は$249.99と発表されており、日本円に換算すると約36,000円(執筆時点のレートによる)と高額です。初回3ヶ月は50%割引が適用されるとの情報もあります。この価格には、YouTube Premiumや30TBのストレージなどの特典が含まれる場合もありますが、ビジネス向けプランにおいては、提供される機能と利用制限に応じた価格設定がされていると考えられます。

深堀りするポイント:企業への影響

Google AI Ultra for Businessの導入は、企業に以下のような大きな影響をもたらす可能性があります。

  • 競争力の強化: 最新のAIツールをビジネスに組み込むことで、業務効率化、コスト削減、顧客体験の向上、新サービスの開発など、多岐にわたる側面で競争優位性を確立できる可能性があります。
  • 人材戦略の変化: 定型業務の自動化が進むことで、従業員はより創造的で戦略的な業務に集中できるようになります。同時に、AIツールを使いこなせる人材の育成や採用が重要になるでしょう。
  • データ活用の高度化: 大量の非構造化データ(テキスト、画像、動画など)をAIで分析・活用する能力が向上し、より深いインサイトを得ることが可能になります。
  • セキュリティとガバナンス: 高度なAI機能の利用に伴い、データプライバシー、セキュリティ、AI倫理といった側面での管理体制の強化がより一層求められます。特に、企業データを取り扱うため、Workspaceの堅牢なデータ保護機能が重要になります。

この「Google AI Ultra for Business」は、企業がAIを活用してビジネスを次のレベルへと引き上げるための、強力なツールとなるでしょう。

関連記事

TOP