Google、教育向けAI「Gemini」を無償提供

今日のニュース内容は「Google が Workspace for Education を導入している学校に生成AI機能「Gemini for Education」を無料提供する」

出典:グーグル、Workspace for Educationの導入校に生成AI機能「Gemini for Education」を無料提供

グーグルは2025年7月15日、教育分野に向けたイベント形式の発表会「Gemini Day for Education」を開催。教育分野に特化したAI機能「Gemini for Education」の無料提供の開始と、「Googe AI 学生アンバサダープログラム」をはじめとする教員および学生を対象とした複数のAI活用支援プログラムを実施することを発表した。

ニュースサイト(2025-07-26)https://project.nikkeibp.co.jp/pc/atcl/19/06/21/00003/072400644/

これは教育現場にとって非常に画期的な取り組みです。

Gemini for Educationとは何か?

「Gemini for Education」は、Googleの最先端AIモデルである「Gemini 2.5 Pro」と、教育向けに最適化された学習型大規模モデル「LearnLM」を基盤とした、教育機関向けのAIツールキットです。Google Workspace for Educationプラットフォームに統合されており、世界中の教師や生徒が無料で利用できるようになります。


提供対象と安全性

当初は18歳以上のユーザーに提供されていましたが、現在では**全てのGoogle Workspace for Educationユーザー(18歳未満の生徒を含む)**が利用可能になっています。未成年者向けには、より厳格なコンテンツフィルタリングや監督メカニズムを備えた専用の安全モードが用意されており、安全な利用が重視されています。

また、最も重要な点として、ユーザーのデータがAIモデルのトレーニングに使用されたり、組織外に共有されたりすることはないと明記されており、FERPA、COPPA、FedRamp、HIPAAなどの業界規制にも準拠しています。これにより、教育機関は安心してAIを導入できる環境が整えられています。


主な機能とメリット(深掘り)

Gemini for Educationは、教師と生徒の双方に大きなメリットをもたらす30種類以上のAIツールを提供しています。

教師向けの主な機能とメリット

  • スマートなカリキュラム計画と授業準備の効率化:
    • 学年やテーマを入力するだけで、教育基準に沿った授業案や教材の原案を迅速に生成できます。これにより、授業準備にかかる時間を大幅に短縮し、教員の生産性を向上させます(一部の報告では最大70%の短縮効果も)。
    • 授業に関連する動画やクイズ、語彙リストなどを自動で提案・生成し、Googleフォームへのエクスポートも可能です。
  • 教材作成の支援:
    • Google Classroomのコンテンツや教員がアップロードした資料に基づいて、学習ガイドやポッドキャスト形式の音声概要を即座に作成できます。これにより、多様な学習スタイルに対応した教材提供が容易になります。
    • Google VidsやFormsとの連携により、音声付き短尺動画の生成や、AIによるフォームの自動構築も支援されます。
  • 個別指導の強化(Gems機能):
    • 教師がカスタマイズ可能なAI学習アシスタント「Gems」を作成し、Google Classroomのデータを選択して、サポートが必要な生徒や学習を進めたい生徒に対し、専用の「AIアシスタント」を提供できます。これにより、生徒一人ひとりの学習ニーズに合わせたきめ細やかな指導が可能になります。
  • 業務全般の効率化:
    • 文書作成、メール対応、会議記録作成など、授業以外の事務作業もGeminiがサポートします。連絡文書のドラフト作成や保護者向けのお便りの要約などもAIに任せることで、教職員がより創造的で付加価値の高い業務に集中できるようになります。
  • 生徒の進捗状況の分析:
    • Google Classroomに新たに追加される「分析」タブで、児童生徒の成績や取り組み状況を一覧表示できます。課題を提出していない生徒や成績が向上している生徒などを把握し、適切な支援につなげることができます。

生徒向けの主な機能とメリット

  • パーソナライズされた学習サポート:
    • Geminiを使って宿題のサポートを受けたり、取り組んでいる内容の画像やファイルをアップロードして、段階的な解説や答えを導き出す方法を学ぶことができます。
    • 「Gemini Canvas」機能を使えば、自分用の問題を作成し、試験対策や学習の理解度チェックに活用できます。
  • 試験対策の効率化:
    • ノートやスライドなどの学習資料をアップロードすることで、学習ガイド、模擬テスト、ポッドキャストなどに変換し、効率的な試験対策を支援します。
  • 文章作成のサポート:
    • エッセイの校正や改善点の提案、履歴書のブラッシュアップなど、文章作成におけるサポートを受けられます。
  • 主体的な学習の促進:
    • AIとの対話を通じて、児童・生徒が問題に取り組む過程を支援し、メタ認知の深化や好奇心の刺激を促します。
  • 年齢制限の撤廃と安全な利用:
    • 18歳未満の生徒もGeminiアプリ、NotebookLMが利用可能になり、インタラクティブ学習や音声教材の活用が広がります。
    • ConnectSafelyやFamily Online Safety Instituteが推奨するAIリテラシー教材が提供され、責任あるAI利用が促されます。また、事実に基づく質問の際にはGoogle検索を活用した回答の再確認機能が自動的に実行されます。

今後の展望

Googleは、今後もNotebookLMでの動画要約機能や、Google Classroomでの質問機能(YouTube動画対応)など、教育現場でのAI活用をさらに促進する新機能の提供を予定しています。

Gemini for Educationの無料提供は、教育のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させ、教師の負担軽減と生徒の学習体験の向上に大きく貢献すると期待されています。


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