今日のニュース内容は「ローカルで動作する大規模言語モデル「Gemini Nano」を活用して、テクニカルサポート詐欺などの悪質なウェブサイトをリアルタイムで検知し、警告を表示する機能が導入される予定です。」
出典:「Google Chrome 137」はローカルの「Gemini Nano」でサポート詐欺を検知可能に
「Google Chrome」の次期バージョン「Chrome 137」では、オンデバイスの大規模言語モデル(LLM)「Gemini Nano」を活用した追加の保護レイヤーが導入されるとのこと。米Googleが5月8日(現地時間)、公式ブログ「Google Online Security Blog」で明らかにした。当面はデスクトップ版への導入に留まるが、今年後半にはAndroid版「Chrome」にも投入する考えだ。
近年、テクニカルサポートを装った詐欺が流行している。よくあるのはユーザーのPCがマルウェアに感染した、パフォーマンス低下などPCに深刻な問題があるといった警告を表示してユーザーを脅したり、不安にさせたところへ、不必要なサービスやソフトを使わせて料金を支払わせたり、デバイスのリモートアクセスを許可させたりする手口だ。
➡ https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/2012792.html
この機能は、以下のような仕組みで動作すると考えられています。
- 怪しい挙動の検出: ユーザーがアクセスしたウェブサイトの挙動(例えば、キーボード操作のロック、全画面表示、偽のエラーメッセージの表示など)をChromeが監視します。
- Gemini Nanoによる分析: 怪しい挙動が検出された場合、ウェブサイトのコンテンツがローカルの「Gemini Nano」に送られ、詐欺的な意図を持つ可能性のあるテキストやパターンが分析されます。
- セーフ ブラウジングへの報告: 「Gemini Nano」による分析結果は、Googleの「セーフ ブラウジング」機能に送信され、最終的な判定が行われます。
- 警告の表示: 詐欺サイトであると判定された場合、Chromeはユーザーに対して警告画面を表示し、アクセスをブロックします。
この機能の導入により、従来のシグネチャベースの手法では検知が難しかった、新しいタイプのサポート詐欺や、短時間しか存在しない悪質なサイトに対しても、より迅速かつ効果的に対応できると期待されています。また、ローカルで処理が行われるため、ユーザーのプライバシーにも配慮した設計になっているとのことです。
※ご自身や周りの方が「突然の警告画面」に慌ててしまわないよう、こうした新機能で一歩先に備えておくと安心ですね。