Absolute、生成AIでエンドポイントの脆弱性を可視化

今日のニュース内容は「エンドポイントのセキュリティ企業であるAbsolute Software(アブソリュート・ソフトウェア)が、生成AIアシスタントAbsolute Insights for Endpointsを開発」

出典:Absolute、生成AIアシスタントでエンドポイントのセキュリティリスクをリアルタイムで特定可能に
公開日 2025/09/01 12:50

Absolute Security(以下、Absolute)は、同社のAbsolute Resilience Platformに新機能を追加すると発表した。生成AIアシスタントにより、エンドポイントデバイスのセキュリティとコンプライアンス状態に関する重要な質問に対して、自然言語クエリで瞬時に回答を得ることが可能になるとしている。

ニュースチェック(2025-09-02)https://enterprisezine.jp/news/detail/22642

エンドポイントのリスクやコンプライアンス状態を“ほぼリアルタイム”に把握・対処できるようにしたというニュースです。

ニュースの要点

  • 製品名: Absolute Insights for Endpoints
  • 技術: 生成AI(Generative AI)
  • 目的: エンドポイント(PC、スマートフォン、サーバーなど)のセキュリティリスクをリアルタイムで特定、分析、対策を支援する
  • 特徴:
    • 自然言語での質問に対応し、セキュリティインシデントに関する複雑なデータを瞬時に分析
    • 膨大なデータの中から、異常な挙動や設定ミスなどを自動的に検知
    • セキュリティチームが手動で行っていた分析作業を効率化

深掘り

このニュースをさらに深く掘り下げると、以下の点が重要になります。

1. エンドポイントセキュリティの課題

近年、サイバー攻撃はますます巧妙化しており、攻撃者は企業のネットワークの最も脆弱な部分であるエンドポイントを狙います。従来のエンドポイントセキュリティソリューションは、既知のマルウェアや攻撃パターンに基づいて防御を行いますが、未知の脅威やゼロデイ攻撃には対応が難しいという課題がありました。また、膨大なログデータやアラートをセキュリティチームが手動で分析するには時間と労力がかかり、見逃しが発生するリスクもあります。

2. 生成AIによる課題解決

Absoluteの生成AIアシスタントは、これらの課題を解決する可能性を秘めています。

  • 異常検知と予測: 生成AIは、膨大なエンドポイントデータ(アプリケーションの挙動、ネットワーク接続、ユーザーの操作ログなど)を学習し、**通常とは異なるパターン(異常)**をリアルタイムで識別します。これにより、ゼロデイ攻撃や未知のマルウェアを初期段階で検知できる可能性が高まります。
  • 自然言語による分析: セキュリティ担当者は、プログラミング言語や複雑なコマンドを習得することなく、「過去1週間の間に、不審なファイルがダウンロードされたデバイスは?」といった自然言語で質問することができます。これにより、専門的な知識がない担当者でも迅速な分析が可能になります。
  • 効率化と自動化: AIがアラートのトリアージやインシデントの根本原因分析を自動的に行うことで、セキュリティチームはより高度な戦略的タスクに集中できるようになります。

3. Absoluteの技術的優位性

Absoluteは、**Persistence(永続性)**という独自の技術を強みとしています。これは、デバイスのBIOS/ファームウェアにAbsoluteのクライアントを埋め込むことで、OSの再インストールやデバイスのワイプ後もソフトウェアが自動的に再インストールされる仕組みです。 この技術と生成AIを組み合わせることで、たとえ攻撃者がデバイスからセキュリティソフトを削除しようとしても、AIによる監視と分析が継続されるという点で大きなアドバンテージがあります。

4. 市場への影響と今後の展望

この動きは、セキュリティ業界全体に大きな影響を与える可能性があります。

  • AI活用競争の激化: Absoluteに続き、他のセキュリティベンダーもAIを活用したソリューション開発を加速させるでしょう。
  • セキュリティの民主化: 自然言語で高度な分析が可能になることで、セキュリティ専門家ではないIT担当者でもセキュリティ対策を強化できるようになります。
  • 防御の自動化: 将来的には、AIがリスクを検知するだけでなく、自動的に隔離や修復などの対策を実行する自律型セキュリティへと進化していくことが予想されます。

Absoluteのこの取り組みは、エンドポイントセキュリティが**「事後対応型」から「予測・予防型」**へと進化する重要な一歩を示していると言えるでしょう。

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