オートデスク、3D生成AI「Bernini」発表

今回のニュース内容は「Autodeskの「Project Bernini」は、手描きスケッチやテキスト、2D画像、点群データなど、様々な入力から“形として機能する”3Dモデルを生成するGenerative AIの研究プロジェクトです。」

出典:手描きスケッチから3Dモデルが!? オートデスクが「Project Bernini」を初披露

「Project Bernini」とは
ベルニーニは、オートデスクが製造業における生成AI(人工知能)技術の活用を目的に推進している研究開発プロジェクトだ。約1万件に及ぶ製品データ(非顧客データ)を学習して構築された「大規模製品モデル(LPM:Large Product Model)」に対し、テキスト、画像、イラストのいずれかを入力として与えることで、複数バリエーションの3Dモデルを自動生成する。

ニュースサイト https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2507/11/news039.html

以下に「Project Bernini」の内容を深掘りして説明します。

Project Berniniとは

「Project Bernini」は、Autodesk Research内のAutodesk AI Labが開発を進めている、生成AIを活用した3D形状作成のための実験的な概念実証モデルです。その主な目的は、テキスト、1つまたは複数の2D画像、2Dスケッチ、ボクセル、点群、あるいはテキストとスケッチを組み合わせた入力など、さまざまなプロンプトから機能的な3D形状を迅速に生成することです。

主な特徴と機能

  • 多様な入力形式: 手描きスケッチだけでなく、テキストプロンプト(例:「64脚の椅子」)、複数の視点からの2D画像、ボクセル(3Dピクセル)、点群データなど、幅広い形式の入力を受け付け、それらを基に3Dモデルを生成します。
  • 機能的な3D形状の生成: 単に見た目が美しい3Dモデルを生成するだけでなく、建築、製品デザイン、エンターテイメントなど、さまざまな分野で実際に使用できる機能的な3D構造を生成することを目指しています。これは、実際の建築物や製造物として成立するための精度と生産性が重視されるデザインおよび製造業界において非常に重要です。
  • 学習データセット: Berniniモデルは、一般公開されているデータ、CADオブジェクト、有機的な形状など、1000万個にも及ぶ多様な3D形状の複合データセットで学習されています。これにより、膨大な種類のオブジェクトを理解し、生成する能力を持っています。
  • シェイプとテクスチャの分離: 多くの他の3D生成モデルが形状とテクスチャを混同して生成するのに対し、Berniniモデルはこれらを個別に生成します。これにより、より正確で制御可能な3Dモデルの作成が可能になります。
  • 初期段階の研究プロジェクト: 現在、「Project Bernini」は厳密には実験段階の研究プロジェクトであり、一般公開されていません。オートデスクは、この技術をさらに改良し、将来的に同社の商業ソリューションに統合することを目指しており、大規模で高品質なプロフェッショナルデータセットでの学習を通じて、その有用性を高めていく計画です。

応用分野

「Project Bernini」は、デザインワークフローを加速し、デザイナーがコンセプト設計段階でより多くのアイデアを検討できるようにすることを目的としています。将来的には、以下のような分野での応用が期待されています。

  • 建築: 革新的な建築デザインの生成。
  • 製品デザイン: 新しい製品ラインの考案やプロトタイピングの迅速化。
  • エンターテイメント: ゲーム内のキャラクターや環境、映画の小道具などの3Dアセットの効率的な作成。
  • 製造: 現実世界で構築または製造可能な機能的な3D構造の設計。

このプロジェクトは、生成AIがデザインと製造の未来に与える大きな影響を示しており、オートデスクはパートナーと協力して、この技術の可能性を探求し続けています。

詳細については、以下のAutodesk Researchの公式ページをご覧ください。

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